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とある喫茶店の店主は40代男性で、丸いレンズの眼鏡をかけ、ちょい悪感を漂わせている。無精髭は整ってはいるが顎だけやや長い。
スラックスにワイシャツ、ネクタイをピシッと締め、その上からベストを着こなしている。
痛み請負人に渡したサンドイッチは、彼女が依頼を受けた後必ず注文するサンドイッチで、玉子焼きのサンドイッチとなっている。店主の手作りだ。
「店主…いつも美味しいサンドイッチ、感謝する」
「なぁに、良いってことよ。しかしまぁ、嬢ちゃんがコミュ障じゃけりゃ、そういうダーティな仕事を生業にしなくて済んだのにな…」
痛み請負人20代女性、特徴:コミュ障、能力:他者の痛みを請け負う、障害:右眼の色素異常・痛覚麻痺。
「それにしても嬢ちゃん…他人の痛みを代わってやるってのはぁ、相変わらず不思議な力だなぁ」
「痛覚麻痺…これが私に下った診断名…そんな私が、痛み請負人として生計を立ててるのも、皮肉な話…」
「…で、眼に孔が開くようにして何見てんだい?」
「私のことが情報拡散されていないかチェックしています…スマホとタブレットを駆使してSNSから大手検索サイトまで…」
何故、痛み請負人がここまでネット拡散を恐れているのかには訳がある。彼女の幼少期に話は遡る。
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