移りゆく花の色と私の気持ち

１、赤いチューリップ ～愛の告白～

女の子はよく花に例えられる事が多い。

『花の命は短い』

『どんな花を咲かせるのかね』

などと。

それでは、私の花は一体いつ咲くのだろう。

それとも、もう既に枯れ果てているのだろうか。

『詩織（しおり）ちゃん、僕と結婚して下さい』

園庭で砂遊びをしていた白石詩織（しらいししおり）は一ノ瀬颯太（いちのせそうた）に突然両手を握られプロポーズをされた。

当時、結婚の意味がよく分かっていなかった私は、とりあえずにっこりと微笑んだのだが、それがオーケーという意味にとられ、近くにいた男の子達は

『けっこん！けっこん！』

と騒ぎ、幼稚園の先生達まで

『まぁ、良かったわね。颯太くん』

などと声を掛けていたのを覚えている。