私と祐ちゃんとクロとシロ

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私と祐ちゃんとクロとシロ

三時になって担当医師から検査結果が知らされた。市立病院の医師の見立てと何ら変わることはなかった。早速に明日から抗ガン剤の点滴治療に入ることになった。入院と自宅療養の十日間サイクルということだ。 「よかった。ずーっと入院じゃないんだ」 「体調次第では仕事に復帰していただいてもかまいません」  私はホットした。仕事のことはともかく、やらなければいけない細々としたことが気になっていたのだ。この先、祐ちゃんが独りでやっていけるようにしておかなくてはならない。  翌日、私と祐ちゃんは医師との面談を終え、四階のナースステーションに挨拶をして病室に入った。パジャマに着替えベッドに横たわった瞬間から入院患者へと様変わりする。手を伸ばせば自由に位置が変えられるテレビがアームの先に取り付けられている。祐ちゃんが早速に取扱説明書を読み始める。機械オンチの私はこうしたことは祐ちゃんに任せるしかない。旅行に出掛ける時もそうだ。時刻表とのにらめっこ、旅館の各部屋に供えられた案内書のたぐいについての理解力は私より祐ちゃんの方が数段に優れている。 「亮子、ちょっと見ていて」  祐ちゃんはリモコンを操作しながら画面を繰っていた。     
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