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僕はフウヤに乗って、ユウスケが入院する病院へ向かった。
成功するかはわからないけど、僕は今こそ計画を実行すると決めた。
ーー君の決心は変わらないんだね?
僕を乗せて滑るように上昇するフウヤは、少し寂しそうに言った。
「うん。だって僕はこのためにこの力を手に入れたんだもん。
こうして君と風になって飛ぶのは、最高に気持ちが良かったよ。
フウヤ、ありがとう」
北風に乗っている身体は冷え冷えのはずなのに、どうしようもなく胸が熱くなった。ついでに喉も頬もまぶたも。どこもかしこも熱くて苦しい。
ーー寂しくなるよ
心なしかフウヤも泣いているみたいに感じて。
僕はますます切なくなった。
けれどもう、センチメンタルな時間は終了みたいだ。病院が見えて来た。
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