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シベリア気団の団長は、とてつもなく大きな風の渦だった。中に入ったらあっという間に脱水機に入れられたようにグルグル回されて、はるか宇宙に飛ばされちゃいそうだ。
「僕は、ボレアースの羽を手に入れた人間です。僕からこの羽の取り出し方を教えてください!」
僕が叫ぶと、大きな渦はその速度を緩め僕たちに歩み寄った。
ーーこれは珍しいものを見た。さすがの私もボレアースの羽を手に入れた人間は初めて見たぞ
団長は僕の話を聞いてくれた。そして僕の体の中にある北風の力を、ユウスケにあげる方法を教えてくれた。
それは僕自身にも大きな負担がかかる。もしかしたら死んでしまうかもしれない。
そんな風に言われたけど、僕の決心は変わらなかった。
僕はユウスケの病気を治したい。
そしてこれから僕はそれを実行する。
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