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はるか遠くにいる君
『久しぶり。元気にしてる?君にちゃんと感謝の言葉を伝えたくてこの手紙を書きました。手紙を書くのは初めてなので、けっこう緊張しました。字が汚いのはそのせいです。
それじゃあ、本題に入るね。
あの時、君が助けてくれなかったら私は今ごろこの世界にいなかったと思う。地上に落ちた時は本当にどうしようかと思った。知らないところでひとりぼっちで、もう帰れないんじゃないかってすごく悲しかった。でも君が優しくしてくれて、地上は怖くないって教えてくれて、一緒に帰る方法を探してくれて、すっごく嬉しかった。本当に本当に、感謝してもしきれないくらい感謝してる。ありがとう。帰るときにドタバタしちゃって言えなかったから、もう一回言うね。本当にありがとう。
天空に帰ってからは色々大変だったんだ。お父さんには思いっきり怒られるし、お母さんはわあわあ泣くし、友達には地上のこと聞かれまくるし。しばらくは落ち着かなかったんだあ。君も私みたいなことになってない?もしなってたらごめんね。
この手紙はね、地上から持って上がった石にくくりつけて落としたの。地上のものならきちんと落ちるんじゃないかと思って。君にバカにされたおみやげも役に立ったでしょ?
長くなっちゃったね。もう君に会えないのはすごく寂しいけど、私も天空で頑張るね。もしもう一度会えるんだったら、今度は君が会いにきてよ!おいしいご飯作って待ってるね。
どうか君にこれからもたくさんの幸せが降りてきますように。本当にありがとう。またね。』
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