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祖父母
祖母は、母親代わりという気負いもあってか厳しかった。
例えば、テレビやゲームは一日一時間。
それも小学校にあがってようやく密が勝ち取った権利だった。
目が悪くなる性格が凶暴になるといった様々な理由で遠ざけられていたのだが、僕だけ〇〇レンジャーを知らないからいつもごっこ遊びについていけない、今時テレビもゲームもしたことないなんて周りから馬鹿にされるし話に入れない、このまま僕は文明から置き去りにされて現代の生きる化石よろしく云々、散々っぱら泣き喚いて主張した末、気の毒に思った祖父が、祖母を説得したのだった。
おやつにしても友達が羨ましくて仕方なかった。
同じ年代の友達の家に遊びに行けば、ケーキや品のいい焼き菓子、そうでなくてもスナック菓子やジュースがおもてなしとして給された。
一方、密の家ではどうだ。石垣餅ややせうまといった、なんとも野暮ったく冴えないおやつが常であり――密にとってはだが、彼の思うお菓子カーストの最下層に位置するそうした野暮ったいおやつを、カースト上位に鎮座するケーキを食べ慣れているであろう友達に与えるのは、恐怖と羞恥以外のなにものでもなかった。
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