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「祐二くん、ちょっと手伝って!」
赤滝祐二、それが俺の名前だ。
「会社でその名を呼ぶなよ。」
高嶺の華の社長秘書の仙川珠実。
実は、俺の幼馴染みで、隣の家に住んでいる。
「誰もいないし、良いじゃないの。
それより、これ、社長室まで運んで欲しいの。」
大きな段ボール箱が台車に乗せてある。
「まあ、良いけど。
中身、何だ?
壊れ物か?」
「カボチャよ。」
「カボチャ?
こんな大きいのが?」
「そう。
ハロウィンパーティ用のお化けカボチャ。
社長がジャックオーランタンを作りたいんですって。」
「はあ。
物好きだな。」
「忙しいからこそのリフレッシュなんですってよ。」
そういうものか、と思った。
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