高嶺の華の社長秘書

6/11
前へ
/11ページ
次へ
「ハッピーハロウィ~ン!! 皆さん、楽しんで下さい!!」 ダンディな吸血鬼の仮装をした社長が、開会の挨拶をする。 血の色のワインを持って乾杯で始まった。 「赤滝先輩、僕、社長と仮装が被っちゃいました! 社長はお金持ちの吸血鬼ですけど、僕は雑魚キャラの吸血鬼ですね。 ああ、もう、悔しい位、社長が格好良い!!」 お金のかけ方も違うのだろうが、社長はパリッとした燕尾服に質の良いマント姿だ。 対してこいつは、量販店の安いマントに白ワイシャツ、蝶ネクタイだ。 中身も違うが、値段も違う。 「先輩の仮装、斬新奇抜ですね。」 可哀想な人を見るような目で見ないでくれ。 おれだって、何でこんな恰好してるのか分からないんだからな。 「人体模型っすか? 先輩の手作りなんですか?」 そう、俺は人体模型のような、心臓だの肝臓だのの絵を描いた服を着ていた。 一応マントで隠しているが、体にピッタリすぎて落ち着かない。 勿論、俺の手作りではない!!
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加