紘一朗

6/6
34人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
うこは絵を描くことに夢中になった。何度教えても鉛筆の持ち方は独特で、握り込むようにして持っているが、最近ではかなりそれと分かる絵を描くようになってきた。 このままいけば、数年後には猫画伯の誕生だ。 うこが猫だと、しかも人間に化ける妖怪猫又だと知っているのは俺だけだ。 人間になると色が良く見えるらしい。 猫又だけど、鼻歌も歌うし、クリームソーダが好きだし、ただのかわいい女の子だ。 普通猫又って人間を喰ったりするんじゃなかったっけ? とにかく俺は、その奇妙な猫の保護者になった。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!