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B「まっ、待てくれ、オレを撮る気かよ」
A「安心して、あなたを撮る気はないわよ。あなた一人の命じゃ勝負に勝てないから」
B「どういうこと・・・」
A「死神界にも昇格試験っていうのがあってね。持ち帰った命の数で合否が決まる仕組みなの」
B「良かった。オレは助かるのか・・・」
A「それはどうかな」
B「それより、早くそのカメラをオレの前からどけてくれないか」
A「そうはいかないわね。あたしが撮ろうとしているのはこの地球。これがどういう意味かわかる」
B「地球を止めるってこと」
A「地球の自転速度は時速1300~1700km。地球が急停止すれば、乗客の全ての動植物が慣性の法則に従い時速1300~1700kmの速度で前方に投げ出される。とてもじゃないが、誰も生きてはいけない」
B「や、止めろって・・・」
列車のけたたましいブレーキ音と共に草間は列車の窓から外に放り出された。
B「これが、オレの転機か・・・」
A「安心して、あたしがエスコートしてあげる。死後の世界へね・・・」
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