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何故スカートを履かなければいけないのか。
仏間に置かれていたチャッカマンを使って火をつけると、それは合成繊維よろしくよくよく燃えた。燃えすぎてカーテンにまで燃え移って家ごと焼きかけた。
異常に気がついた母親が手早く消してくれたので、大事にはいたらなかった。
なので母親にはすこぶるどやされて、怒られたもんだ。
父親は甘いので、無事でよかったじゃないかと鬼の形相の母親をたしなめてくれた。それはそれで母親の逆鱗に触れて、怒りの矛先が私から父親に移っただけだった。
そんな両親をしり目に、私は自室に引きこもった。籠城だ。自分で勝手につけた内鍵をしっかり掛けた。
怒られた理由は、まあ当然のことだし、致し方ないことだし。そんなことはどうでもいいのだ。
問題は焼いても焼いても目の前に何度でも現れ、厳密には親がまた購入して準備をしているのだが、何度でも置かれるその存在であった。
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