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俺の言葉に心底驚いた様子のじいさんは、訝しげに俺の顔を見つめる。思った通りの反応だ。
「お前さん、何を言っとるじゃ ?
まるで、彼女を知っとる様な口ぶりに聞こえるぞ ? 」
「知ってるよ。あんたよりも、ずっとな」
そう、俺は彼女を知っている。正確には“現在の彼女”をだが……
「な、何を訳の解らん事を……
年寄りをからかうなよ ? 」
「からかってなんかない。俺は、彼女を知ってた。
だから、あの写真を見て驚いて話を聞きに来たんだ。」
「どうゆう事だ ? お前さんは一体……」
「孫だよ」
「 ! ? 」
「彼女は今、施設にいる。あんたに会いたがってる。
雪の降る度あんたの話を聞かされるんだ」
「……」
「だから、あんたの気持ちを聞かせてくれ」
「…わしは……」
え ? その後二人は再会できたかって ?
さぁ ? それは、皆さんの想像にお任せしますよ。
それじゃ、俺は急ぎますんで。ちょっくら施設まで車を走らせないと行けないんでね。
では、さようなら。
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