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咄嗟に彼女が残した
不可解なあのメールのことが脳裏をよぎり
「それって…」と
声がした左後方を振り返ると…
先ほどの老婆の姿はどこにもなかった。
僕はその老婆の言葉が気になりながら…
また空を見上げた。
今日の空も、彼女が失踪したあの日と同じ色をしている。しかも雪まで降り積もり始め、僕と君のすべてを覆い隠してしまいそうな雪景色。
ーー今日はアーサの葬儀が執り行われる日。
彼女はあのメールだけを残して
忽然とどこかに消えうせた。
まるで…どこかの誰かに
連れ去られるように。
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