夜空のむこうに見える過去

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真行寺家を勘当されそのまますぐに東京に戻った。二人の生活が始まるとほとんど毎日彼女は朝6:30に起きて朝食を作り、朝食ができる7時に俺を起こしてパンとトーストとコーヒーといったシンプルな朝食を摂る。 朝食が済むと彼女は後片付けをしてそれから出勤の支度を始める。支度ができるとバタバタと8:30には部屋を出て、毎朝俺は朝の散歩をかねアーサを駅まで歩いて送るのだった。 そして駅まで送るとまた歩いて部屋に戻るといった生活が続いた。 部屋に戻ると、二日に一度は部屋と風呂を掃除してそれが終わると洗濯。仕事をしていないのだからとそれ位はやるのだが…それまでの僕には想像もつかない姿がそこにはあった。しかし日々の家事以外はすることもなくほとんど毎日…何をするわけでもなく時間だけが過ぎていった。 世間から隔離された「世の中の不要物」と化した自分に対して少しずつ…嫌気が蓄積していった。
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