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君が消えたあの日から…
夜空のムコウにあったのは
「明日」という名の希望に
満ち溢れた未来ではなく
無限に続く「昨日」という名の
闇の世界だった。
少し前から徐々に強さを増していく雪の中で
僕は婚約者だった立花亜里沙の葬儀に、
連れの3人とともに参列していた。
その空間にあったのはどこまでも虚しい無限の闇でしかなかった。
傘をよけて肩に積もる雪を
攘うこともなく…
ただそう僕は思っていた。
君を連れ去る鎧を着たおどろおどろしい悪魔を乗せた黒い車をただ見つめて。
彼女が死んだという実感のない
非現実世界に唯々苛立ちを覚えていた。
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