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昔ある所に、人間の男をずっと待ち続けている人魚がいました。
「戻ってくるからね、待っていて!」
と言う男の言葉を信じて、何と10年も待っていたのです。
しかし人間の男は全く戻ってくる気配がありません。
さすがの人魚も怪しみ出し、カモメに頼んで男の状況を見に行ってもらいました。
案の定、人間の男は美しい人間の女性と結婚して幸せに暮らしていました。
カモメが人魚のことを尋ねると、
「ああ、人魚に会ったことある様な?夢だよね?」
と、すっかり夢オチで終わっている様子でした。
カモメは人魚に、正直に状況を伝えました。
人魚はたいへん悲しんだ後、烈火の如く怒り出しました。
「信じられない!騙された!あの男~!!」
美しい人魚とは思えない程の怒り方でしたが、それも仕方ないとカモメは人魚の愚痴に付き合い続けていました。
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