嘘つきは嫌いだ

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 わたしは言った。 「したよ……ね?」  あの子も恥ずかしそうに頷いた。 「うん。した……かも」 「かも?」  わたしは笑う。 「うん」  あの子も笑う。  忘れていたのはわたしのほうだった。 「ちょっと来て」  今度はわたしが、あの子の手を引いた。  波打つプレハブの壁──。
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