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わたしのすぐ真横に、ヤクルト配達のおばさんのバイクが停まった。
何を期待してたんだろう……。
電車が二本通り過ぎる間、おばさんは持ち立ち尽くしているわたしを、心配そうな顔で何度も覗き込んだ。
おばさんは遮断機が上がると、わたしに何か話しかけようとした──けど、わたしの持つ色紙を見て安心したかのように表情が緩んだ。
そしておばさんはのバイクは、乾いた音を立てて走り去っていった。
わたしはまだ寄せ書きを見ている。
何度見ても同じなのにね。みっともない。
ぽつぽつと雫の落ちる音が、色紙の上で柔らかく跳ねる。
何も書かれていない空白が、薄いねずみ色に変色し──そしてまた白に戻る。
他の子たちの文字が滲んでしまわないよう、わたしはそっと色紙を顔から遠ざけた。
***
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