七日を飾る花

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「おい左門、手順が違うではないか」 「ふっ、お前達は何もわかっておらんな。見ろ、ここをこうすれば……」 「なんと!我らの何倍も早く仕上げてきたぞ……!!」 盛り上がっているなぁ……。 左門さんが器用なのは本当だったみたいだけど、テンションがおかしい気がする。 お店から聞こえる声に耳を傾けつつ、私はサンドイッチと右門さんの淹れてくれたコーヒーを頂きながら小休憩に入っていた。 ブラックが飲めない私のためにと、ミルクとお砂糖を入れたコーヒー。飲むたびに香りと程よい甘さがじんわり広がって、疲れた体を癒してくれる。 そんな癒し系の右門さんは、サンドイッチとコーヒーをみんなの元へ運んでいるところだ。 私はコーヒーを飲み干して一息つくと、次の作業に入るべく小さな紙袋を取り出す。 お店も私の部屋もアヤカシ達に占領されているから、ここを使わせてもらおう。 作業台に材料を並べると、私は作業に取り掛かった。 「ごめんね小春、まだ時間がかかるみたいだ」 作業に没頭していると、右門さんが厨房に戻ってきた。 時計は丑三つ時をとっくに過ぎている。これは明け方までかかるかもしれないな。 「せめて小春の部屋だけでもあけてくれるよう頼んでくるよ」 「いえいえ、大丈夫です!作業に集中してたら悪いですし。私もやる事がありますから」 「やる事?……ああ」 首を傾げる右門さんに、私は作りかけのそれを見せる。 それでだけで私が何をしようとしているのか気付いたのか、「分かった」と頷いてくれた。 「コーヒーのお代わりはいるかな?」 「はい、頂きます!」 右門さんは私の手元に視線を落とすと、穏やかに微笑んだ。 「……喜んでもらえるといいね」 「――はいっ!」
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