木々の下で

2/3
前へ
/3ページ
次へ
「はいっ!カットォォ~!!」 寝癖のついたままの監督少年の声が響く。 「良かったですよ!先輩達の演技(・・)」 ポニーテール少女はキラキラした目で少女と少年を見る。 そして映画研究部のメンバーがテキパキと舞台セットを片していく。 そして監督少年が少女と少年に 「いやー、焦れったい二人の恋の話もこれで完結だね!お疲れ様ー!!」 ニヤニヤしながら言う監督少年に二人は俯き顔を赤くする。すると耐えられなくなったのか少女は口を開いた。 「こっ、これ!ありがとうね!新田くんの大事なマイカメラ!」 「う、うん!僕のカメラだもん、返してもらって当然だもんね!」 迷走した二人は意味のわからないことを言いながら機械のように笑う。 「はぁー先輩達本当にキスしてるみたいだったな~」 「そういえばさーこの映画(陽の光に照らされて)は今回の主人公役の先輩達二人の実話らしいよ。」 「えっ!?じゃあ、先輩達二人はこの映画の内容そのままを現実でやってるの!?」 「そうらしいよ。なんでもラストシーンみたいに告白してるのを見られてネタにされたんだってさ。映画では先輩後輩だけど実際は…ね?」 「キャー!いいですね!先輩達はすごく甘々な二人なんですね。」 「それに、先輩達は本当にキスしてるわよ?まだまだね、一年生ちゃんは。」 遠くから聞こえてきたそんな声に二人はますます顔を 赤くした。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加