0人が本棚に入れています
本棚に追加
はあ、はあと息をつく二人。
「ここまで来れば大丈夫。」
少年はそう告げる。
「うん、そうね。散歩、するんでしょ?」
少女は少年に問う。
「うん、そのつもり。」
少年は少女に答えると恋人が繋ぐように手を繋ぐ。
「映画終わったね。私達を題材にされたのは恥ずかしかったけど楽しかった。」
「うん」
二人は少し俯きながら会話をする。
「ねえ、一年前もここで同じことしてたよね私達。」
「そうだね、これからは毎年の恒例にする?」
イタズラな笑みを浮かべた少年と少し驚きながら頷く少女。
「来年も再来年も、ずっとずっと先の未来…そう、お爺ちゃんお婆ちゃんになっても?」
「そのつもりで行ったんだけど。」
少女は顔を真っ赤にした。
その瞬間今年もまた同じ場所で影が一つになった。
最初のコメントを投稿しよう!