奏は俺のもの

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その日、俺は、新しくできた人気のフレンチレストランを予約した。 2月14日。 奏の誕生日に。 まだ1ヶ月以上先だが、人気店のため、なかなか予約が取れないから、早めに予約をするといいと池沢が教えてくれた。 池沢が奏をナンパし始めた時は、ムカついたが、基本的にはこいつは仕事もできるし、いい奴だ。 次に宝飾店を回る。 サイズが分からないので、奏が寝ている間にビニタイを指に巻きつけてかたどった物を持ってきた。 ピアノを傷つけないように、爪のないタイプを選んだ。 辛い誕生日を過ごした奏に、少しでも誕生日を好きになってもらえるよう、これからは毎年、楽しい思い出を残してあげたい。
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