奏は俺のもの

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─── 2月14日 木曜日 ─── 18時30分。 奏を迎えに行く。 手を繋いで、駅の反対側にできたフレンチレストランに向かう。 19時。 シャンパンで乾杯。 「奏、誕生日おめでとう。」 と言うと、 「ありがとう。」 と奏が嬉しそうに微笑む。 予約しておいたコース料理を食べながらも、俺は緊張していた。 最後のデザートを食べ終わると、奏は、紙袋をテーブルに出した。 「ゆうくん、これ、もらって。 ゆうくんが大好き。 子供の頃から、ずっと義理チョコのふりしてた けど、ほんとはずっとあれも本命チョコ だったよ。」 めっちゃ、嬉しい! 「中学生の頃の俺に聞かせてやりたいなぁ。 あの頃、奏は俺の事、友達としか思ってない から、河合の応援してると思って 落ち込んでたんだからな。」 「ご、ごめんなさい。」 奏が落ち込むのを見て、 「いいよ。もう気にしてないし。」 と、頭を撫でた。 「開けていい?」 「いいよ。」 中には奏のいつものガトーショコラ。 「ありがとう。 俺が毎年、楽しみにしてたやつだ。 帰って食べるのが楽しみ。」 そして、 「じゃあ、今度は俺から。」 と緊張しながら、小さな箱を取り出した。 「誕生日おめでとう。」 「ありがとう。」 「開けてみて。」 奏が俺を見上げる。 「いいの?」 と聞くから、俺はにっこり頷いた。 ラッピングを解くと、中から黒いベルベットの小箱。 中を開けて、 「ゆうくん、これ……?」 と俺を見つめる。 「奏、結婚しよ。 ずっと奏を大切にする。 もう奏と離れたくないんだ。 一生、俺のそばにいて。」 と想いを伝えた。 「はい……」 よかった!! 今まで生きてきて、1番嬉しい『はい』だな。 俺は、指輪を取り出すと、奏の左手を取って薬指にゆっくりとそれをはめた。 奏、愛してる…
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