夜のとばりの降りる頃

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何も、人類と言うモノは、金銭を手に入れる為に存在している訳では無い。労働する事で、誰かが苦労をしているからこそ、何処かで誰しもが享楽を味わう事が出来る。互いに支え合う事で、人は人として生きていられる。 それでは何故、金銭が必要なのであろうか? 人間と言うモノは、時に、物欲に取り憑かれてしまう生物であるからこそ、その欲の抑止力としてのメディアなのかも知れないが、物質文明に頼ってしまうと、やがては道を見失ってしまう。そして未来は失われるだろう。 いい加減、この世は天国とは地続きでは無い事に人類は気付くべきである。 しかし、何故、今になって、僕はその様な事を感じてしまうのだろうか? ………その時、天使は舞い降りた。 僕の器の中には御霊が宿っている。 その名も大天使ミカエル………。 嗚呼、救世主よ。ワタクシの魂を捧げます。どうか人類に光をお与え下さい。闇を浄化し、互いを思いやる心で、明日の太陽の光を浴びられる事を切に願います。 ふと、僕は、煙草に火を付けた。今日も、煙草は旨い。明日は、どんな輝かしい未来が待ち受けているのだろうか? それは、今日も又、夜のとばりが降りた頃に想いを寄せた、僕の妄想から始まった細やかな絵空事なのでありました。               《 第1話 完 》
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