第2話:彼方。

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 光に照らされて、卓上カレンダーが浮かび上がる。気づけばもう、7月も初旬に差し掛かろうとしている。紫陽花は、だいたい梅雨の終わりと共に時期を終える。梅雨が7月中旬過ぎぐらいまでだから、あまり時間が残されていない。  ピカッ…。  もう一度、雷が鳴った。  一抹の不安。  紫陽花の終わりと共に、彼女もまた、手の届かない遠くへ行ってしまうのではないか。胸の中に、何とも言えない思いがじわりと広がった。  その後、何度か『あじさいロード』を訪れたが、  …この梅雨の間、彼女に逢えることは一度もなかった。
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