0人が本棚に入れています
本棚に追加
「…もしかして、天狗さん…?」
兵士の夜間戦闘迷彩と顔面に装着した先端が長い3つのレンズ付き暗視ゴーグルの装備を
見た“狐っぽい耳”をピョコピョコさせてる着物姿の少女が呟きながら、小首を傾げた。
兵士は少し黙って、現状把握に努めてみる。
360度視界の森の中は異形のモノ共の囲まれている…正に死界、生き残る選択肢は
ただ一つ。それは肯定…
兵士は頷き、こう言葉を返した。
「そう、そう。俺、最近の天狗…」…
話は5分程前に遡る…
自衛隊が用意したC-130輸送機の中で、最新の装備に身を固めた兵士達の1人
“九鬼 京介(くき きょうすけ)”はまもなく自身達が降下するであろう、
眼下の景色を眺めた。
最初のコメントを投稿しよう!