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呻いて苦しみ?く姿を見下ろす口元は、三日月に歪められていた。
「犯人は女、単独犯か」
突然呟いたコウキに視線が集中する。
「さすがはコウキ、答えが見えたようだ」
マジックの種明かしをするように、ロビンは笑顔と大げさなジェスチャーで話し始めた。
「彼女はとても純粋なのだよ。だから裏切りを許さない。僅かの穢れも許せない。神に誓った愛を汚して肉欲に走る者を片付ける事を、当たり前だと思っているのさ。嫉妬と傲慢、彼女の罪はもっとも人間らしい原罪で――オレはそういう子をみると、助けてあげたくなる」
奇妙な言い回しに引っ掛かったのは、コウキだけだった。他の人間は会話についていけず、呆然と2人を見比べている。
眉を顰めたコウキが、唸るように声を絞り出した。
「まさか、お前が…っ」
「ああ、オレは彼女に知恵を貸した。目立たずにターゲットを誘う方法、獲物の見抜き方、死体をばらす為の人や道具も紹介したよ。あれはこの独房から出てすぐに出会った、久しぶりに興味を引く『玩具』だからな。壊さないように遊ぶのは当然だろう?」
この男は見抜いていたのではなく、最初からすべてを知っていたのだ。自ら仕掛け、その結果を見つめて満足そうに微笑んでいた。
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