02.純粋こそ罪

1/4
77人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ

02.純粋こそ罪

 取り出した資料をロビンへ渡す。  監視員経由で渡された資料を数枚読み、ふん……と鼻を鳴らしたロビンが口元を歪めて笑みを作った。青紫の稀有な色の瞳が、コウキを馬鹿にしたように捉える。 「この事件のプロファイリングをどう思う?」  つい最近起きている事件だ。12人もの犠牲者を出している連続殺人、被害者達は一様にバラバラに解体されていた。  だが見つかる場所は決まって被害者の自宅の庭、手足を東西に向けて水平に並べて中央に頭を据える形で置かれる。胴体は少し離れて無造作に転がされており、現場には悪魔崇拝の儀式に似た不気味さがあった。  死体の頭頂部に蝋燭を置いて火を灯した形跡が残り、必ず左手首から先は見つからない。  気味悪さに「悪魔の仕業」と実しやかに囁かれる残虐な事件記録を斜め読みした男は、平然と写真を数枚選び出した。無造作に選んだようだが、死体が発見された状態を克明に映し出した全体図ばかりだ。 「4人分しかない……残りは?」  何を求められているのか、瞬時に理解できた。  ロビンに示した写真は、12人の犠牲者のうち4人分だけ。資料は全員分あるが、写真はランダムに選び出した人数分しかない。     
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!