プロローグ

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私は一瞬息が出来なくなった。 「どうしてこの番号をあなたが知ってるんですか?」 「どうもこうも事務所にはもう話を通してありますから。七瀬さんの事務所はいい事務所ですね。最終的には本人の意思に任せますと。 だから直接本人と話させてくださいと言ったらこの番号を教えてくれたんですよ」 いけしゃあしゃあと言って、私はこの人のことが溜まらなく不快だ。 きっとこの人は私の隠してきた過去を暴いてしまう。それが怖い。 「ならこの場でお断りします」 「七瀬さんの婚約者は僕のファンらしいですね。もし、断ったらがっかりするんじゃないでしょうか。 貴女はいいわけの術をもたないはずです。 オファーを断りたいのは暴かれたくない過去があるからですか」 私は興奮で一瞬で顔が熱くなる。 「七瀬さん、いい返事をお待ちしています」 そう言って風見さんは電話を切った。
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