プロローグ

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男性は私のグラスを受け取った。 「また恥ずかしところを」 「そんなに気にしなくても会場は乾燥していましたから」 「それはそうと、さっき私の名前を呼んでいましたが、私の事を知ってるんですか?」 「ええ、この会場に来ている方は皆さん貴女の事をご存じでしょう。 新人女優賞を受賞、確かな演技力と透明感のある存在感が魅力の今注目の女優ですね。 まぁ僕は貴女の事を調べていたはそれだけが理由ではありませんが」 含みのある言い方が気になる。 「実は貴女に話しかけるタイミングをずっと図っていたのですよ。貴女は色々な方をお話をしていたため会場では機会がなくてこうして会場を出た貴女を追ってきたのです」 「私にお話しがあると言うことですか」 「ええ、そうですよ。 僕の作品に出演してほしいんですよ。僕はこういうものです」 「風見翔!」 思わず大声を出してしまった口を塞ぐ。 「ご、ごめんなさい」
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