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「相談はしますが、プロですからそこで躊躇はしないです」
「七瀬さん、ちょっと」
「え?」
すると、風見さんが私の頭の後ろに両手を回す。一瞬抱きしめられているような感覚になる恥ずかしくなる。風見さんの手が私の髪に触れる。無意識に高鳴る心臓。
ふと湯川さんの顔を見上げる、こうして見てみると端正な顔立ちだ。鼻も高いし目だって切れ長で、って私何を考えてるの!
「少し髪飾りが曲がっていたので。
ぜひ前向きに検討していただけませんか。
貴女にやましいことがないのならば。それでは僕はもう行きますね。他にも挨拶をしなければならない方々がいますので」
私は風見さんの後ろ姿を見つめていた。
この出会いが、私と風見翔の運命を狂わせていくなんてこの時は思ってもみなかった。
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