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「ちょうどニュースでやってるよ、愛莉はやっぱり綺麗だな」
「な、何言ってるの」
テレビの中で私が笑ってる。どことなくいびつな笑顔を浮かべている自分を見るのは複雑な気分だ。けれど、敬太はそれに気づいているのか気づいていないのか、私の事を褒めてくれる。
「いや綺麗だよ」
敬太がおいでおいでと言わんばかりに手を広げる。私は紅茶を机に置き、大人しく敬太の腕の中におさまった。こうやって素直に愛情表現をされることが嬉しい。
「こうやって腕の中の愛莉は可愛い、オレだけの物って感じがして、幸せだな」
そういって敬太は私の頭にキスをした。
テレビから声が聞こえる。
『風見監督もこちらに会場にいらっしゃるみたいです、ちょっとお話し聞いてみましょう。
風見監督、先日公開された作品もとても好評だったようですが、次の作品の構想はあるんですか』
『ええ、実は次の作品のオファーを新人女優賞を受賞した七瀬愛莉さんにしてきたばかりなんです』
私は心臓が止まるかと思った、ドキドキと心臓が早鐘を打つ。
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