第3章 世界の殲滅と救世と

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*** 「思うんだけどよ」 「どうした」  廊下を歩きながらタドルが神妙な面持ちで口を開く。 「昼飯の後に魔法学とか実践授業とかハードすぎるよな」  そう言いながら早速欠伸をかませる。そのあほ面の斜め後ろでガゼルが貰い欠伸をしていたが、気づかなかったことにしてやる。 「そんなこと言わないでくださいよ」ひょっこり顔を出したフレッグがやる気のない肩を叩く。「次はお待ちかねの魔法学の授業なんですから」 「あのグラント先生の、な」  ガゼルの一言でタドルのやる気は消し飛んだようだ。落っこちるほどに肩を下げ異様なうめき声を上げだすあり様だ。 「パフェクターが羨ましいぜ。担任はカルネス先生だけど、あのヒューネ先生も補佐で付くんだろ」 「そ、そうだけど……カルネス先生はかなり厳しいぞ」  無意識に顔が引きつってしまう。それにより同じクラスのフレッグの顔からも血の気が引いていく。 「はあん。そういえばレイズ――」適当に相槌を打ったガゼルだったが、何かを思い出したようにこちらを向く。「昨日はカルネス先生に呼ばれて何してたんだ」 「え……」  しまったと思ってももう遅い。 「いや大したことは……」 「大した、こと?」  ガゼルの目が疑り深くなっていく。
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