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優作はジェロームにハンバーグを渡そうとする。それをジェロームはいいと言う。
「俺のハンバーグが受け取れねぇってのか!」
「よさねぇか!!」
とうとうイチが怒鳴った。
「優作! お前10日間掃除当番だ。いいな」
とたんに優作はしゅんとしてしまった。
「……テルさん、悪かったよ……ジェロームごめんな、仲立ちしてくれたのに……ありがとな」
ハンバーグ騒ぎが終わってやっと和やかな食卓となった。
騒ぎの間、女将さんや三途川を始め他のみんなは黙々と食べている。いたたまれないとか、目を背けるとか、そんなことじゃない。要するに『我関せず』というヤツだ。それは蓮も同じ。というより、すっかりこういうことに慣れている。
「ご馳走さま、テルさん。済まない、俺のは病人食で2倍手間かけてるよな」
「なに言ってんですか。気にしちゃいけない、体に障りますよ」
薄い頭を撫でながらテルが笑う。テルと蓮は同じ年だ。けれど見た目にはだいぶ違う。時々それがジェイは可笑しくなる、口には出さないけれど。
「みんな、頼みがあるんだ」
「なんだい、大将」
親父っさんがすぐ反応した。
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