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「ジェイは免許を持ってるんです。でもいろいろあったからそれを忘れていて……」
「知ってるよ、病気のことは」
「でもそれを思い出したんです、今日」
「そいつは凄い! 良かったじゃねぇか、ジェローム!」
「はい! 俺、運転出来ます」
「ただ、最後に運転してからだいぶ経っていて、誰かに指導してもらえないかと」
「俺、やってやるよ!」
さっきの借りを返したいとばかりに優作がすぐに名乗りを上げた。
「お前はだめだ、人に教えるのにお前ほど向かないヤツはいない」
「なんだよ! それを言うならカジさんだって飛ばし屋じゃないか!」
今度は自分の運転が火種になりそうでジェイは焦った。
「静かにしろ! せっかくジェロームが落ち着いてるってぇのにお前たちのせいで発作でも起こしたらどうするんだ!」
鶴の一声。親父っさんの言葉で一気に静かになった。
「運転を教えるってことならイチ、お前がいい」
「分かりました。ジェローム、帰って来るの遅いよな。昼間ってわけには行かねぇから夜と朝早く。それでいいか?」
「ありがとう! イチさん、よろしくお願いします!」
いったん部屋に引き上げることになった。これから食事の片付けもある。それが終わってからイチと少しドライブをすることになった。
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