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翌朝6時。イチともう一度道路に出た。夜よりもこの時間が混んでいる。
「夕べはこんなじゃなかったのに」
「通勤の車が増えたんだよ。この時間はこのくらいが普通だ」
「もっと早く出れば良かったのかな」
「それじゃ練習にならない。車が少ない時だけ走れても意味無いだろ?」
その通りだと思う。イチはいつも的確なことを言ってくれる。
7時には戻って朝食を食べた。
「行って来ます!」
「気をつけろよ。三途、頼むな」
「了解」
今日も朝は三途川と一緒だ。通勤はまだ三途川の車に乗せてもらう。
「ジェイ、あんたのマンションからここまで道分かる?」
「大丈夫だよ、覚えてる」
「jあ。車の流れ見てなさい。道じゃなくて。どんなタイミングで右折左折、追い越しするか。頭の中でシミュレーションするの」
「はい!」
会社に着くまでが勉強だった。
「どう? タイミング分かった?」
「頭の中でずっと運転してたよ。大丈夫だと思う」
「なら良かった!」
これなら自分の予想より早く運転できるようになるだろうと思う。
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