8.思い合う心

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   翌朝6時。イチともう一度道路に出た。夜よりもこの時間が混んでいる。 「夕べはこんなじゃなかったのに」 「通勤の車が増えたんだよ。この時間はこのくらいが普通だ」 「もっと早く出れば良かったのかな」 「それじゃ練習にならない。車が少ない時だけ走れても意味無いだろ?」  その通りだと思う。イチはいつも的確なことを言ってくれる。  7時には戻って朝食を食べた。 「行って来ます!」 「気をつけろよ。三途、頼むな」 「了解」  今日も朝は三途川と一緒だ。通勤はまだ三途川の車に乗せてもらう。 「ジェイ、あんたのマンションからここまで道分かる?」 「大丈夫だよ、覚えてる」 「jあ。車の流れ見てなさい。道じゃなくて。どんなタイミングで右折左折、追い越しするか。頭の中でシミュレーションするの」 「はい!」  会社に着くまでが勉強だった。 「どう? タイミング分かった?」 「頭の中でずっと運転してたよ。大丈夫だと思う」 「なら良かった!」  これなら自分の予想より早く運転できるようになるだろうと思う。   
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