8.思い合う心

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  「蓮……痩せたね」 「しょうがないよ、食ってないんだから。普通食になったらすぐに戻るさ。それよりお前に食事任せていいのか?」 「もちろん! 三途さんとこでたくさん料理習ったし、勉強だってしてるよ。真理恵さんも助けてくれるって」 「じゃ、期待していいんだな?」 「任せといて。頑張るから」  しばらく沈黙が漂う。蓮がずっと黙っている。 「どうかした?」 「きれいなハンドルさばきだと思ってさ」  くすっとジェイが笑う。 「いつも蓮の動き、見てたから。蓮の真似してるんだ」 「俺? 俺はもっと荒っぽいだろう!」 「蓮の動きはいつだってきれいなの」 「ふぅん……」  自分の真似だというその動きを褒めたことが気恥ずかしかった。  今度は混雑から免れず、会社の駐車場に入ったのは8時47分だった。 「お昼はレトルトのおかゆになっちゃうね……お昼何かパッと買ってくるよ」 「悪いな、頼む」  やっと来たエレベーターに乗ってオフィスに着いたのは8時53分だった。 「ギリギリセーフって感じだな」 「明日からもっと早く出ようね」  
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