8.思い合う心

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  「先輩、いつもこんなに無茶なんですか?」 「どこが?」 「だって間を空けて、さっきの会議室の件を盛り込んで1分縮めろって……」 「いい方じゃないかな。今回はずい分細かくまとめてたからあれで済んだんだと思うけど」 「でも!」 「あのね、プレゼンって戦いなんだよ。こっちの製品を短時間で理解してもらって『他社とは違うんだ』ってシステムをアピールする。要するに受注の奪い合いだよね、ウチだけがプレゼンするんじゃないから。花さんはプレゼン向きなんだ、説得力があるから。けどそのうちみんなもやることになる。俺の初回はボロボロだったよ。みんな、頑張ってね」  溜め息が漏れる。 「みんな、時間が無い。言われたことをやって」  15分後には打ち合わせをして再度のプレゼンに備えた。 「どうだった? 叩かれた?」 「今日は少なかったよ。三途さん、ありがとう。短時間によくやったって課長に褒められた」 「ま! それは凄い! 頑張ったわね」 「でもやっぱりキツいなぁ、鬼課長は」 「たっぷり休んだからね、気合入りまくりなんじゃないの?」   
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