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自宅のソファに座った時にはどっと疲労感に包まれた。やっぱり自宅は違う。久しぶりの仕事だった。けれど胃は痛まない。
「早くまともな飯が食いたいな。肉が食いたい」
「我慢。野菜と魚。あとはおかゆ。もうしばらく待って」
「はいはい」
キッチンから振り返ったジェイの顔が笑っている。
(お前のその振り返る顔が好きだ……)
まだセックスは無理だろうか。いつからいいんだろうか。さすがにそれは病院で聞けない。言い出してもきっとジェイは拒むだろう。
(お預け食らった犬みたいだな、俺は)
笑うよりも、切実な思いだった。目がジェイを追いかける。
(そのうち襲っちゃいそうだ……何考えてるんだ? ジェイが発作起こすじゃないか!)
ジェイの後ろ姿からテレビへと、目を引き剥がした。この方がよっぽどストレスになりそうだった。
(エプロン……つけるの止めよう。蓮の目つき変だし。俺も我慢するから蓮も我慢してね)
ジェイはジェイで、真面目にそんなことを思いエプロンを外した。まるでエプロンだけが蓮を煽ってるかのように。
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