9.迫りくる真実

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   金曜日は午前中は佐野から紹介された病院で診察を受けることになっていた。ジェイが病院まで送り、その後は病院からタクシーで駅まで行き電車で出勤する。 「俺、連絡くれたら病院に迎えに行くよ」 「だめだ。今日は仕事しろ。ただの診察だし俺の心配は要らないから。9時半の予約だから午前中にはオフィスに入れる」  断固とした口調に、病院で蓮を下ろし会社に向かった。  出勤したジェイにすぐ花が近づいてきた。 「メールが来てる、西崎さんから。正確に言うと常務秘書の成瀬さんからだけど」 「西崎さん……弁護士の先生」 「そうだ。今日の午後話があるって。俺も呼ばれてる、課長も」 「みんな一緒?」 「一緒だ。だから安心しろよ」  頷きはしたけれど事件全体がぼんやりしていてしかも肝心な部分の記憶がまだ戻っていない。 「花さん……俺、話分かんないかもしれない」 「いいよ、今日は。まず聞いてからどうするか課長と一緒に考えよう」 (課長来るまで俺が気をつけてないと)  花は考え込むジェイにあれこれ指示を出し、昨日のプレゼンの穴をチームで考えていった。新人たちにもジェイの微妙な様子が伝わったらしい。 「先輩、どうしたんですか?」  翔に声をかけれられてハッとした。   
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