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『聞かれても答えられなかったらどうしよう』
『俺も花も一緒だろう? 心配するな。それより落ち着かなくなったら早めに薬を飲んでおけ』
『そうする。待ってる』
『昼前には着く。お前も弁当買え、一緒に食べよう。お粥は要らない。油ものと味付けの濃いもの、香辛料の強いもの以外なら何でも食べられるそうだ』
それを読んで、ジェイの頭の中は蓮の昼食で頭がいっぱいになった。
(何にしよう! サンドイッチだけじゃきっとお腹が減る……何回かに分けて食べろって先生、言ってたよね……サンドイッチは面談終わった頃に食べてもらおう)
もう固形を食べていいという知らせが嬉しくて、ついでに夕食のことまで考え始める。
蓮が着いたのは12時前。店が混む前にお昼を買ってきたのとほぼ同時だった。
「ジェイ、飯どうする?」
「あ、弁当買ってきちゃった」
「課長と一緒か。なら良かった」
花もジェイを一人でいさせたくない。課長と一緒ならと安心する。
蓮はジェイの顔を見てほっとした。
「思ったより落ち着いているな」
「メールもらったから。それに蓮も花さんも一緒にいてくれるし」
「おい、会社だ」
「あ! ごめんなさない、課長だった」
「ちょっと気が緩んでるな、俺たちは。気をつけよう」
「はい」
仕事の話や新人の話をしてあっという間に昼休みが過ぎた。
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