9.迫りくる真実

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   それでも時間が近づいてくると時計ばかり見始めた。持ち歩いているノートを出す。あれから思い出すことが些細なことでも書くようにしている。後でまた忘れないように。そこから記憶が広がるように。 (何か思い出したこと……) 思いついて一つ書いた。 (昼休み、何かあった) それは花が刺されたことだが、そこまではまだ思い出せていない。  蓮は西崎に相田の一番新しい写真を頼んでおいた。転勤時の写真は確かにあるが、最近の顔とだいぶ変わっているはずだ。冒険になるが、当時の写真と両方をジェイに認識させておきたい。  ジェイからメールが来て、すぐに友中に電話をかけていた。相田の写真を見せたいが、アドバイスが欲しいと。 『ちょうど金曜ですし、今日受診しませんか? 私が一緒の方がいいと思います』 「そうしていただけたら有難いです! 退社してから伺って大丈夫ですか? 残業はないので」」 『7時頃になりますが』 「はい、お願いします」  西崎の話はなんとなく分かる。きっとこれからの予定と具体的な話が出るだろう。そこにジェイの意識が合うようにするのが自分の役目だ。  プレゼンは来週の連休前、火曜だ。それを乗り越えればじっくりジェイと話が出来るし、落ち着いて話も出来るだろうと思う。  
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