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「こんばんわ、ジェローム」
「お世話になります」
友中がちらりと自分を見たから蓮は頷いた。
「よろしくお願いします。最近いろいろ思い出して来てそれを整理しているところです」
ジェイがノートを見せた。まだ大した量ではないが中身としては濃い。
「運転大丈夫なのね? 良かったわね」
「今、会社との蓮の送り迎えをしています。まだ治りきっていないから」
「そうだったわね。河野さん、いかがですか? 体、落ち着きました?」
「お陰さまで。ジェイがよくやってくれるので」
「そうですか。ジェローム、河野さんにちゃんと責任を持って接しているのね。してもらうだけじゃなくて」
「はい。俺もちゃんとしないと。蓮に無理してほしくないです」
ここまでは驚くほど順調だ。
「今日はこの後誰も予約が無いの。だからゆっくりお話ししましょう。このノートを見ると『相田』という人が会社に入ってきたことは分かっているのね?」
「はい、時期とか人の異動を考えるとそこにその人が来たんだと分かりました」
「出来事としては覚えてないってこと?」
「……はい、顔が出て来なくて……」
蓮が茶封筒を友中に渡した。その中身を確認する。
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