9.迫りくる真実

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  「ジェイ、あんみつ食いたくないか? あそこなら俺にも食えるものがあると思う」  一瞬間が空いてジェイの返事が来た。 「そうだね……和食屋さんだから。……俺、あんみつ食べる!」 「そうか。肉にしたいけどなぁ、魚で我慢するよ」  ジェイの手が膝に載った。 「そうして。蓮はもう体を壊さないで。大事にして」  その手に左手を載せる。 「体に気をつける。無理はもうしない。魚を肉だと思うことにするよ」  ジェイに笑顔が浮かんだ。わずかだけれど。 「蓮、あの写真持ってるよね?」  躊躇わずにすぐに返事を返す。 「持ってるよ。俺が預かっておく」 「うん。落ち着いたらまた見せて。今日は……もういい」 「分かった。お前にそれは任せる。必要なことはなんでも言ってくれ」 「うん」  発作もおこしていない。声も出ている。会話が成り立っている。 (本当にお前はよく頑張っているよ) 夢は……きっとうなされるだろう。そこまでは自分で防げるものじゃない。 (吐き出すものは全部受け止めよう) それが今の自分にできることだ。
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