9.迫りくる真実

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   ジェイがこの腕の中で自分の名前を言ってくれた……涙が落ちる。  眠って1時間くらい過ぎたころ。突然それは始まった。  手を伸ばす、必死な顔で。その手を握った。声にならない声で何かを叫んでいる。でもまるで喉が詰まっているかのように声が出て来ない。息が止まり始めて青い顔になっていく。手から力が抜けていく。 (ジェイが消えてしまう!)  そこからは自分でも分からない。ただジェイの名前を呼び続け、手を握り続け、抱きしめたり、揺さぶったり。  徐々に体温が下がり始めるのを感じて上を脱ぎ捨てるとジェイのボタンを引きちぎり胸を合わせた。  ゆっくりとなっていく鼓動に、叫び続けた、「ジェイ!!」と。 「俺がいる。ここにいる。帰ってこい! 俺のところに帰ってこい!!」  そして反応が生まれ始めた。自分の鼓動で頭の中ががんがんする。  水を飲ませて息をつくのを見て、やっと頭が正常に戻ってきた。 「かえってきた……かえれた」 「お帰り」  それ以上、何も考えられない。お帰りと何度も繰り返した。   
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