9.迫りくる真実

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   目を閉じそうになると怖かった。すぐに体を揺する。目を開けろと。すると口元に笑みがわずかに浮かんで「れん」と声を出した。 「眠りたいか?」 「うん、寝たい。蓮がいるから迷子になっても平気なんだ」 「なるなよ、迷子に。俺に掴まってればいいんだ」 「そうだね。迷子になりたくない」 「いつだってそばにいるから。お前は俺に掴まっていろ」 「うん……」  今度こそ眠らせてやった。寝息が聞こえる、静かで穏やかな。今頃になって自分の体が震えているのが分かった。 (息が止まるかと…) それ以上は考えられない。ただ負担にならないようにそっと抱きしめていた。  その内外が明るくなり始めた。  明るくなってきたのを感じて安心してしまったのだろう。そのまま眠ってしまったらしい。目を開け、横に顔を向けると起きている愛しい者が自分を見つめていた。 「おはよう」 「おはよう」  夜起きたことが一瞬駆け巡った。『うしなう』その言葉にブルっと体が震えた。 「蓮の寝顔見てた」 「面白かったか?」 「きれいだった」 「目、悪くなったか?」 「俺の蓮はきれいなんだ」  体を起こして口づけた、静かに。唇を離して囁いた。 「俺のジェイもきれいだよ」  
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