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体の下のジェイが身じろぐ、恥ずかしそうに。
「俺……夢の中で負けそうだったよ」
「でも戻ってきた」
「蓮の声が聞こえてた。だから……」
「帰ってきてくれてありがとう」
「蓮が見つけてくれたから」
巻き毛に指を潜らせる。嬉しそうに頭を預けてきた。
「笑えるんだな?」
「笑ってた?」
「今な」
「そうかぁ……俺、笑ってる」
蓮の背中に手を回した。その硬い体がまるで襲ってくる何かから守ってくれる壁のように感じる。
『守護者』
そう言われた、蓮のことを。もう一度蓮の体の硬さを確かめた。
(うん、守ってくれる、絶対)
それは今まで以上の確信だった。
「なんだ、まだだめだって言ったのはお前だぞ」
「そうじゃないよ! もう、蓮そんなに欲求不満?」
「お前を見てるとな。ここに閉じ込めておきたいほどきれいになってきたから」
「お、俺、男だよっ!」
「知ってる」
蓮の口元に笑みが浮かんだ。
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