9.迫りくる真実

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『どうやって飲んだんだ。なぜ飲んだんだ』 (ちがう、うぃすきーがくちにあふれたんだ……あのなかで……おぼれかけたんだ……)  飲み込まなければ死んでいた。飲むしかなかった。次々と口に含まされて、飲んでも飲んでも飲んでも口の中にウィスキーが溢れていた。 「……れ……」  それだけで蓮が振り返った。 「ジェイ!」 「手を……」 「ああ、握ってる、握ってるぞ!」 (こうやって苦しみ続けるんだろうか……これじゃジェイがもたない)  抱き締めて力の抜けたジェイを抱え上げる。まるで自分が自分じゃないような気がした。しっかりとジェイを両手に抱えてソファに連れて行った。  もう寝室には置いておけない……ドアを開けていれば安心出来るレベルじゃなかった。 「……い、き……」  思い切り肺を膨らませて酸素をジェイの口から送り込む。何度も送り込んだ。青い顔に赤みが刺す。 (救急車……) そんなことが頭に過ぎったけれど手を離すことが出来ない。 「ジェイ、俺が掴んでるから。だから息をしてくれ、頼む、息を」   
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