10.憎んでいい?

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  「おはよう、蓮」  声がかかるまで起きていることに気がつかなかった。 「おはよう。ごめん、ぼんやりしてたよ」 「その顔、見てた。蓮がぼんやりするなんて珍しいよね」  穏やかな顔だ。夢は見なかったようだ。 「お前はいい顔してるよ。よく眠れたか」 「そうみたい。何も覚えてない」 「なら良かった。コーヒー淹れたら飲むか?」 「うん、飲みたい」 「よし、待ってろ」  素直に甘えてくるジェイが嬉しい。 「朝飯、どうする?」 「なんでもいい。蓮にお願いしていい?」 「じゃ、目玉焼きとサラダ。そんなもんでいいか?」 「いい」  コーヒーの香りが立ち込める。 「今日はいい天気だ。どうしたい?」 「このまま蓮といたい」 「それでいいのか?」 「うん。蓮は? どこか行きたい?」 「いや。お前が良ければ家にいたい」 「良かった」   
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