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「おはよう、蓮」
声がかかるまで起きていることに気がつかなかった。
「おはよう。ごめん、ぼんやりしてたよ」
「その顔、見てた。蓮がぼんやりするなんて珍しいよね」
穏やかな顔だ。夢は見なかったようだ。
「お前はいい顔してるよ。よく眠れたか」
「そうみたい。何も覚えてない」
「なら良かった。コーヒー淹れたら飲むか?」
「うん、飲みたい」
「よし、待ってろ」
素直に甘えてくるジェイが嬉しい。
「朝飯、どうする?」
「なんでもいい。蓮にお願いしていい?」
「じゃ、目玉焼きとサラダ。そんなもんでいいか?」
「いい」
コーヒーの香りが立ち込める。
「今日はいい天気だ。どうしたい?」
「このまま蓮といたい」
「それでいいのか?」
「うん。蓮は? どこか行きたい?」
「いや。お前が良ければ家にいたい」
「良かった」
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